《クエリー・レスポンス》初演 http://ooipiano.exblog.jp/22220048/ での機材について: 赤のギターアンプ(Roland CUBE Lite)は、Steinwayピアノのすぐ前で(椅子の上に乗せて)聴衆に向けて設置し、 右チャンネルに接続。 黒のギターアンプ(Roland MOBILE CUBE)は(壁からの反射音が聴衆に届くように)壁に向けて設置し、 左チャンネルを接続。 グランドピアノの内部の弦の近くにパソコン用の小さなマイク(ELECOM HS-MC01)を設置し、つう 拾った音をリアルタイム加工して出力。 ライブエレクトロニクスに用いたタブレット型PC(ユニットコム Lesance TB, Celeron 1037U, Ubuntu 14.04, Csound 6.02)とギターアンプとは、USBオーディオIF(iBUFFALO USBオーディオ変換ケーブル)を介して接続。 大井さんに、演奏を始める前に簡単な操作(タブレット画面を一度タッチするだけ)をして、始めてもらいました。 Csoundでの音響処理は、私が普段使っているAndroid携帯でAndOSCというアプリを動作させて、OSCデータを送ることでコントロールしました。USBで電源供給できるWiFiルータ(Buffalo WMR-300-WH)をタブレットPCに接続し、タブレットPCもAndroid携帯もWiFiルータの無線LAN子機として接続して、子機間でOSCデータの通信を行いました。 高価な機材は無く、かなりチープなシステムですが、音は意外にそれほどチープではなかったです。(もちろんそれは、グランドピアノの生音があってのことですが) Csoundのファイル等は、 http://tkita.net/csound/query-response1/ に置いてあります。 本作品の作曲を委嘱し、卓越した演奏力で初演を実現してくれた大井浩明さんに深く感謝いたします。 喜多敏博 喜多敏博《クエリー・レスポンス》~ピアノとライヴ・エレクトロニクスのための(2014、委嘱新作初演)   クエリーとは、ネットがすでに生活の一部である人々にとっては、意識はせずとも毎日のように日常的に発行しているものです。データベースシステムへの問い合わせのことを指します。レスポンスとは、反応、答えのことです。   本作品を設計するにあたり、ピアノ演奏だけでも成立し、ピアノの音とそれに答えるエレクトロニクスとがなるべく乖離しない作品にしたいと願って設計しました。ライブエレクトロニクスには、csound という音響プログラミングツールを使っています。古くからあるツールですが、コンピュータとはつまりBASIC言語である、という原体験を持つ世代の私にはとても使いやすく、バージョンアップもコミュニティにより未だに頻繁に行われいて、中身は古くないツールです。   本作の初演会場には、大「大井」氏の演奏に対峙して、小さくなって自分のスマホを操作してライブエレクトロニクス用コンピュータのレスポンスを引き出そうと苦闘する私がいることでしょう。とても楽しみです。 喜多敏博 Toshihiro KITA, composer http://tkita.net/   1967年に奈良に生まれる。京都大学大学院工学研究科博士後期課程研究指導認定退学,熊本大学 工学部助手,総合情報基盤センター准教授,eラーニング推進機構教授,現在に至る。工学博士(名古屋大学,2005年)。eラーニングシステム,LMS/VLE,非線形システム,電子音楽に興味を持つ。 先端芸術音楽創作学会(JSSA) 運営委員。   ACMP(Asia Computer Music Project) 2012(台北、台湾)および NIME(New Interfaces for Musical Expression) 2013(大田、韓国)にて、Webアプリケーションのアクセスログデータを実時間音響化するデモを実施。2013年8月に熊本市現代美術館ミュージックウェーブ071「ラップトップミュージックコンサート&ワークショップ」を実施。Csound Conference 2013 (Boston, USA) および 第18回JSSA研究会(東京)にて、専用アプリ不要の聴衆参加型作品 "Audience's Smartphone Jam Session" を発表。